category: yamaguchi
DATE : 2009/02/19 (Thu)
DATE : 2009/02/19 (Thu)
県の09年度当初予算案では、国の交付金を活用した景気・雇用対策に重きを置き、施策的経費の半分にあたる792億円を充てた。また、二井関成知事が掲げる「住み良さ日本一」を実現するため、安心・安全基盤の強化など6分野にも重点配分した。一方、県財政の悪化に伴い、国の基金事業を除いた新規事業は54となり、知事就任以来最低数となった。主な事業を紹介する。【井上大作、諌山耕、藤沢美由紀】
■雇用対策
1561人分の雇用確保を目指す。6カ月未満のつなぎ就業では、ヘルパー資格の習得に向けた介護実習、県庁の電子システム移行のサポートなど。農林水産分野での長期就業につなげる体験研修を充実させ、40歳未満を対象に就職フェアやセミナーも実施する。
■融資枠の拡大
中小企業制度融資は870億円分を確保。国が緊急保証制度の対象とする760業種の中小企業を対象に、年率1・8~2・1%で8000万円を限度に融資。取引先の倒産などで債権回収が困難な場合も対象。離職者2人以上を雇用した中小企業に、同1・0~1・3%で3000万円を貸し付ける対策も継続。個人向けの融資枠も前年度当初比より2億円増額した。
■医療体制の充実
医学生を対象にした貸し付け制度の継続や、救急医への休日夜間手当ての支給など医師確保対策を手厚く盛り込んだ。県民向けでは、平日夜間にがん検診を実施する医療機関に支援し、妊婦検診の助成枠も拡大する。
■学力向上対策
昨年の全国学力テストで明らかになった県内小中学生の低迷ぶりを受け、意欲的に取り組む10校を選定。小学校担任の不得手科目について中学校教諭を派遣するなどの取り組みに支援を始める。
■学校耐震化
全国的にみて低い学校耐震化率向上のため、私立学校の耐震改築工事への補助率を6分の1から3分の1へ引き上げる。県立高校舎の耐震化には前年度比9・2%増の34億5800万円を充て、28校で実施する。
■完全35人学級化
従来、36人以上の学級は補助教員を設置して対応していた小学1・2年について、完全35人学級化を導入する。学校での生活習慣に適応できない「小1プロブレム」の解消が主眼で、教員64人を追加配置する方針。
■県警察関連
前年度比0・6%減の413億2300万円。耐震性に問題のある柳井署の建て替え整備のほか、全国的な取り組みの一環で警察官を9人増員。検視業務の強化や、子ども、女性の犯罪被害防止を目指す。「緊急雇用創出」事業でパトロール推進員33人を雇う。
………………………………………………………………………………………………………
◇職員給与関係費大きすぎ--山口大人文学部・纐纈厚教授
17日発表された県の09年度一般会計当初予算案について、地方行政に詳しい山口大人文学部の纐纈(こうけつ)厚教授に聞いた。
まず、「構成比27・3%の職員給与関係費が大きすぎる」と指摘。医療や教育の助成を一部カットした点については、「弱者の命、生活を守るのが行政の最大、最高の目的。職員の人件費を切りつめたり、緊急性の低い公共事業を後回しにして何とか残せなかったのか」と残念がる。
景気低迷で激減した税収を、主に借金(臨時財政対策債)で賄う形となった今回の予算編成。その結果、9年ぶりに前年度の規模を上回り、県債残高は1兆1974億円(見込み)と過去最高を更新。
今回、二井関成知事が「最優先にした」という公共事業を主とした景気・雇用対策については「県民にとって必要性の高い順に実施すべきで、精査や見直しの努力がまだ足りない」。
一方、過去最少の100億円(同)となる基金残高。「大災害や鳥インフルエンザなど、緊急時の財源はどうするのか。あちこちにいい顔をして予算を作ってきたツケが今来ている。巨額の国体関連費や萩有料道路の無料化などはその一例。会社に例えるなら倒産間近。しっかり自覚してほしい」と注文をつけた
■雇用対策
1561人分の雇用確保を目指す。6カ月未満のつなぎ就業では、ヘルパー資格の習得に向けた介護実習、県庁の電子システム移行のサポートなど。農林水産分野での長期就業につなげる体験研修を充実させ、40歳未満を対象に就職フェアやセミナーも実施する。
■融資枠の拡大
中小企業制度融資は870億円分を確保。国が緊急保証制度の対象とする760業種の中小企業を対象に、年率1・8~2・1%で8000万円を限度に融資。取引先の倒産などで債権回収が困難な場合も対象。離職者2人以上を雇用した中小企業に、同1・0~1・3%で3000万円を貸し付ける対策も継続。個人向けの融資枠も前年度当初比より2億円増額した。
■医療体制の充実
医学生を対象にした貸し付け制度の継続や、救急医への休日夜間手当ての支給など医師確保対策を手厚く盛り込んだ。県民向けでは、平日夜間にがん検診を実施する医療機関に支援し、妊婦検診の助成枠も拡大する。
■学力向上対策
昨年の全国学力テストで明らかになった県内小中学生の低迷ぶりを受け、意欲的に取り組む10校を選定。小学校担任の不得手科目について中学校教諭を派遣するなどの取り組みに支援を始める。
■学校耐震化
全国的にみて低い学校耐震化率向上のため、私立学校の耐震改築工事への補助率を6分の1から3分の1へ引き上げる。県立高校舎の耐震化には前年度比9・2%増の34億5800万円を充て、28校で実施する。
■完全35人学級化
従来、36人以上の学級は補助教員を設置して対応していた小学1・2年について、完全35人学級化を導入する。学校での生活習慣に適応できない「小1プロブレム」の解消が主眼で、教員64人を追加配置する方針。
■県警察関連
前年度比0・6%減の413億2300万円。耐震性に問題のある柳井署の建て替え整備のほか、全国的な取り組みの一環で警察官を9人増員。検視業務の強化や、子ども、女性の犯罪被害防止を目指す。「緊急雇用創出」事業でパトロール推進員33人を雇う。
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◇職員給与関係費大きすぎ--山口大人文学部・纐纈厚教授
17日発表された県の09年度一般会計当初予算案について、地方行政に詳しい山口大人文学部の纐纈(こうけつ)厚教授に聞いた。
まず、「構成比27・3%の職員給与関係費が大きすぎる」と指摘。医療や教育の助成を一部カットした点については、「弱者の命、生活を守るのが行政の最大、最高の目的。職員の人件費を切りつめたり、緊急性の低い公共事業を後回しにして何とか残せなかったのか」と残念がる。
景気低迷で激減した税収を、主に借金(臨時財政対策債)で賄う形となった今回の予算編成。その結果、9年ぶりに前年度の規模を上回り、県債残高は1兆1974億円(見込み)と過去最高を更新。
今回、二井関成知事が「最優先にした」という公共事業を主とした景気・雇用対策については「県民にとって必要性の高い順に実施すべきで、精査や見直しの努力がまだ足りない」。
一方、過去最少の100億円(同)となる基金残高。「大災害や鳥インフルエンザなど、緊急時の財源はどうするのか。あちこちにいい顔をして予算を作ってきたツケが今来ている。巨額の国体関連費や萩有料道路の無料化などはその一例。会社に例えるなら倒産間近。しっかり自覚してほしい」と注文をつけた
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